秋元強真と朝倉未来の関係を知りたいと思っている人は多いだろう。RIZINで急速に頭角を現した秋元強真が、なぜ朝倉未来のいるJAPAN TOP TEAM(JTT)に移籍し、どういう経緯で師弟関係が生まれたのか。その背景を順を追って整理していく。
出会いのきっかけは2019年の大晦日
秋元強真(あきもときょうま、2006年3月8日生まれ)がはじめて朝倉未来の存在を知ったのは、2019年の大晦日のこと。当時まだ13歳だった秋元は、テレビでRIZINに出場する朝倉兄弟(朝倉未来・朝倉海)の試合を観て、格闘技の世界に強く引き込まれた。
それまで秋元は、6歳から中学卒業まで8年間サッカーを続けてきた少年だった。新松戸SCというクラブチームに所属し、地道に競技を続けてきた。格闘技とは無縁の生活だったと言っていい。
ところがあの大晦日の一夜で、その方向性ががらりと変わった。朝倉未来と朝倉海の戦い方、立ち振る舞い、存在感。それが14歳の少年の心に火をつけた。「憧れ中の憧れ」と秋元自身が語るほど、朝倉兄弟は彼の人生の転換点となった人物だ。
親の反対を押し切って格闘家の道へ
朝倉兄弟に強く影響を受けた秋元は、中学卒業のタイミングで大きな決断をする。合格していた高校への進学を辞退し、プロ総合格闘家を目指す道を選んだのだ。
家族は当然反対した。しかし秋元の意志は揺るがなかった。友人の友人がパラエストラ柏に通っていた縁で、同ジムの門を叩く。幼稚園のころに1年だけボクシングを習っていた経験はあるものの、MMAはほぼ白紙からのスタートだった。
それでも秋元の成長は異常なほど速かった。アマチュアで6戦全勝を記録し、2022年6月にグラジエーターでプロデビュー。その後はDEEPを主戦場に3連勝、しかも全試合フィニッシュというキャリアを積み重ねた。
JTT移籍の決断——「理想のスタイルがそこにあった」
ご報告になります!
— 秋元強真 (@Kyoma_mma) March 25, 2024
この度パラエストラ柏から
JAPAN TOP TEAMに移籍する事になりました!
ここから更に強くなって必ずDEEPだけじゃなく上の団体でもチャンピオンになります!
ここまで育ててくれた鶴屋先生、パラエストラの皆さん本当にありがとうございました!
#秋元強真 #JAPANTOPTEAM pic.twitter.com/U2Oj8q7k0j
プロとして実績を積み重ねるなかで、秋元はさらなるステップアップを模索していた。そして2024年3月、パラエストラ柏を離れてJAPAN TOP TEAMへの移籍を自身のXで発表した。
移籍の理由について秋元はこう語っている。「朝倉海選手とか未来選手を見て格闘技を始めて、理想とするファイトスタイルなので、その元でやってれば自分ももっと強くなれると思って」。
つまり、JTT移籍は単なるジムチェンジではない。格闘技を始めるきっかけとなった憧れの人物たちのもとで、自分を磨きたいという純粋な動機があった。
実際にJTTの環境に入った秋元は「打撃だったら打撃専門のコーチがいて、レスリングだったらレスリング専門のコーチがいて、全ポジションのコーチがいる。今、一番いい環境だと思います」と手応えを口にしている。コーチ陣の質と厚みが、それ以前のジムとは段違いだったようだ。
朝倉未来の推薦で大舞台へ
JTT移籍からわずか2ヶ月後の2024年5月、秋元はABEMAの「格闘代理戦争 THE MAX」に出場する。しかもこれが、朝倉未来の推薦選手としての出場だった。
対戦相手はアラン”ヒロ”ヤマニハ。RIZINにも出場経験のある35戦キャリアのベテランだ。対する秋元はキャリア5戦。明らかなキャリア差があったが、結果は2Rにボディへの打撃からのパウンドでTKO勝利。会場を驚かせる大金星だった。
この試合で朝倉未来が秋元を推薦したという事実は、単なるジム内の話ではない。公開の場で「この選手は本物だ」と示した行為であり、師匠としての信頼の証とも言える。
朝倉未来が「天才」と呼ぶ理由
JTT内で日々練習を重ねるなかで、朝倉未来は秋元の才能をより近くで目の当たりにすることになった。
2025年5月、東京ドームで開催されたRIZIN男祭りで秋元が高木凌に判定勝利を収めた直後、朝倉未来はこう語った。「あの子天才だよ、本当に。19歳であの落ちつきで、一緒に一番練習したのかな。スパーリングとか、めっちゃいい練習も出来た」。
朝倉海も「その時(18歳)の俺よりも100倍強い」と舌を巻いている。日本格闘技界のトップに立ってきた兄弟から、これほどの言葉が出ること自体が異例だ。
未来さんんんん名前出してくださいよ!!
— ゆちゃん@推し垢🥊 (@Hh3Uq_kyoma) May 22, 2024
その天才って秋元強真くんなんですよ〜!!@Kyoma_mma pic.twitter.com/b3CglxmuIZ
朝倉兄弟が秋元強真を称賛!
— 記録員 (@sharakiro) May 17, 2024
未来
「秋元くん天才すぎる バックボーンなしの格闘歴3年であの試合 さては転生してきてるな」
海
「やるねー逸材君」#超RIZIN3 #JTT #格闘代理戦争THEMAX pic.twitter.com/ESSJlvSBXF
師弟として並んで戦う姿
夢見た光景
— 秋元強真 (@Kyoma_mma) May 4, 2025
幸せ
#RIZIN男祭り pic.twitter.com/woilVuifUH
2025年5月4日、東京ドームで開催されたRIZIN男祭り。朝倉未来はフェザー級で前王者・鈴木千裕と対戦し、3R TKOで復活勝利。秋元もアンダーカードで高木凌と対戦し、判定3-0で勝利を収めた。
師弟揃って白星を挙げた夜、秋元は試合後にこう語った。「入場前も未来さんが『頑張れよ』って手で合図してくれたので、より一層気合い入れて死んでも勝つって気持ちで臨みました」「今ちょうど未来さんも勝って。マジ夢見た光景ですね」。
憧れの選手を観て格闘技を始めた少年が、同じリングで同じ夜に勝利する。2019年の大晦日に芽生えた憧れが、6年後の東京ドームでこういう形になるとは、当時の秋元自身も想像していなかっただろう。
まとめ
秋元強真と朝倉未来の出会いは、2019年の大晦日にテレビで朝倉兄弟の試合を観た13歳の少年の憧れから始まった。その憧れが高校進学の辞退という決断を生み、パラエストラ柏での修業、そしてJTTへの移籍へとつながった。
朝倉未来にとっても、秋元は単なるジムの後輩ではなく、自分たちが作ってきたRIZINの文化を受け継ぐ存在として映っているはずだ。その関係は今後、日本格闘技界の行方を左右する師弟関係になっていくだろう。
